都市回想

showery

Wish it would stop raining... around small village in scotland, 2001

a song in a bustle

Stockholm

2004年初夏。ストックホルム。 鮮やかな緑。淡い黄色の壁。流れる雲。時々吹く風の心地よさ。 街外れの道路沿いで行き先の地図をみていた。 通りかかった古いシトロエン。窓から顔を出して、こっちに向かって何か叫んでる。 「何?聞こえないよ」 車は、方向…

Padova

Padova, Italy. 1786年にゲーテが訪れたというPadova大学の植物園(1545年設立)。 La palma di Goetheの表記がある。そのシュロの木の勢いの良さに圧倒された。 学問の長い歴史とその自由さ。 ■気温が低くなってきた。雪が降りそうな空気。原稿1つ終了。も…

エルラシディア

エルラシディア。この土地の名前の響きを急に思い出した。 ちょうど、3年生の講義が始まって、砂漠の話に少しふれたとき。 なんとなく楽園のような気がしていたのだけれど、そうではなかった。 1988年、北アフリカ、Morocco、Algeriaとの国境沿いの小さな街…

Helsinki

ふとしたことで、ときどき思い出す朝の駅。 斜めに入ってくる光と重なって届く靴音。不思議な響きのことば。 甘いパンの匂いと漂うコーヒーの香り。 フィンランドの首都。好きな街のひとつ。 縁があって、これまで何回か訪れている。小さな街なのだけれど、…

ポルト

Porto, Portugal。 好きな街は何処ですかという質問をいただいたので。 いい香りのポートワイン。ガラオン(galao)という少し甘いミルクコーヒー。素朴な黄色いお菓子。カステラの先祖。 オブリガーダ。アデウス。やわらかな言葉の響き。 サン・ベント駅のア…

モンサント

ポルトガルのモンサントという名前のとても古くて小さな村。 先日のゼミで、少しお話しした場所です。問い合わせをいただいたので。 僕は、昔、ここにぽつんと立って、さまざまなことを想った。 巨大な石の群れと共存する街なみ。とても考えられないような条…

Verona

曇り空。山の端も霞んでる。ずっと原稿書き。 たくさんの鳥の群。 ふと、考えるのをやめて、遠くの空をみていたら思い出した。 Verona, Italy. 古い街。シェクスピア。ロミオとジュリエットの舞台。 ここに、カステル・ヴェッキオ美術館がある。カルロ・スカ…

Sahara

先週、講義のイントロで、少し、こんな話をしました。 この世界には、本当に多様な環境が存在していて、そこに暮らす人たちがいます。 ■1988年9月、僕は、北アフリカにいた。ちょうど20年前。 モロッコとモーリタニアの国境に近いあたり。サハラ砂漠の北端。…

Copenhagen

コペンハーゲンへは、オスロに行く際に時々たち寄る。 空港に降り立つと、ガラスと木の建築。美しいサインと照明。 デザインの国だなと思う。 この時期だと、外に出たときの、冷たくはりつめた蒼い空気が好きだ。 しかし、次に行くのは、来年の1月末。全てが…

Stockholm

2003秋、スウェーデン、ストックホルム。好きな街の一つ。 その近郊にある森の火葬場。 これまでの旅の中でも、本当に美しいと感じたランドスケープ・デザイン。 死が身近に感じられるからか。あるいはその逆か。 エリック・アスプルンドとジガード・レヴェ…

Portbou

ヨーロッパ地中海側のスペイン、フランスのボーダーに、Portbou(ポル・ボウ)という小さな国境の街がある。何もない小さな街だったが、たまたま宿があったので一泊したことがある。 ここは、Walter Benjamin(ヴァルター・ベンヤミン)が、第二次世界大戦中…

Gare de Lyonと新宿駅

昨年秋、ネットが繋がると聞いたので、パソコンを持って、パリのリヨン駅に行った。ムフタール通りの安宿にはネット環境などない。 ときどき、ネットの繋がる場所を求めて街をうろついていると、マトリックスの電話ボックスを思い出して、なんだか変な気分に…

Dublin

ダブリン。アイルランドの首都。これまで縁があって2度訪れた。こぢんまりした街だが、英国と比べ、ご飯が美味しいし、カレーは特にうまい。とても好きな街のひとつ。 Edinburgh発Dublin行きの飛行機。 となりの席の兄さんが、北部訛りで「どこからきたんだ…

Berlin

ベルリン この街には、これまで4度訪れているが、最初に惹かれるようになったのは、ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)監督の、「ベルリン・天使の詩」(Der Himmel uber Berlin)を見たときである。 老詩人「これがポツダム広場であるはずがない、あれは本…

Kashi

1995年5月。カシュガル(喀什)。中国の最西端の街。パキスタン、タジキスタンのボーダー近く。ウルムチ、トルファン経由。 バスを降りたら、別世界だった。道行くおばあさんに宿の名前を伝えて、場所を聞いたが、そんなのは知らんという。漢字でかかれた長…

Fes, Morocco

1988年夏。日本を出て5ヶ月目の頃、モロッコの中ほどにある、古都フェズへ。旧市街にはいると、まるで迷路。丘に登ると、茶色の街並みの中にモスクや緑色の屋根の記憶。 丘の中腹で、きれいなサボテンの実を見つけた。腹が減っていたので食べようとして手を…

Newcastle upon Tyne(1)

ニューカッスル。正式には、Newcastle upon Tyne。タイン川の上。英国、イングランドの北東部に位置し、スコットランドとのボーダーにある。天気が悪く、工業都市で方言がもっともきつく、酒呑みのたくさんいる街。 昔から、何故か、炭坑の街や工業都市や酒…

Nagasaki

長崎は生まれてから、18年間過ごした街である。 長崎の駅は日本の西の端の終着駅。終着駅というのは、実は珍しいのである。列車は、ここが終点であることを告げるアナウンスとともに駅に滑りこむ。これから先には、船にでも乗らない限り何処にもいけない。 …

London

London市内Jubilee線のKilburn駅近くの学生下宿は、1988年に暫く住んだ場所である。20歳頃の人間にとっては刺激的だった。 イタリア、アルジェリア、ブラジルの若いやつらが同じ部屋に暮らしていたし、別の部屋には、スウェーデン、タイ、フランス、スリラン…