エルラシディア


エルラシディア。この土地の名前の響きを急に思い出した。
ちょうど、3年生の講義が始まって、砂漠の話に少しふれたとき。
なんとなく楽園のような気がしていたのだけれど、そうではなかった。
1988年、北アフリカ、Morocco、Algeriaとの国境沿いの小さな街。
砂漠に向かうのに、もうバスなどの公共交通機関はなく、ベドウィンジープの屋根に乗せてもらって。
気温は、52℃だった。唇が、何本も縦に割れて血が滲んだ。
頭には、ターバンみたいなのを巻いた。ジープの屋根には、足をくくられた白と黒の子羊が6匹。ときどき小さな声で、メ〜と鳴いた。

夕日が、赤い砂漠の中で沈んでいった。砂に映るラクダの影。
屋根の上の簡易ベッドに一人。寝袋に入って眠った。夜は、10℃まで気温が下がった。
気が遠くなるような数の星。サン・テグジュペリ星の王子さまのこと。
日本を出て半年近く、この頃には、もう化石売りに騙されることもなく。交渉にやってきた物売りのベルベル人に、英語で、「ユー・アー・リアル・ベルベル!」と言われたのだった。
その後、3日間にわたって、恐ろしい脱水症状になり、一歩も宿から出られない状況になる。
今でも、助けてもらったMさんと水の名前はよく覚えている。シディ・アリとシディ・ハラゼム。水のありがたさ。
■福岡。秋らしい気持ちのいい天気。今日は、3限、B3講義「地域計画と景域デザイン」イントロダクション、景観生態学生態学、進化、絶滅、アナクロニズムほか。ゼミ。6限、M1・社会人講義「環境保全と生態工学」、生態学と土木工学の "間" に求められるもの。10:08 AM Oct 6th webから
■涼しい秋の夜。原稿の続き。そして諸星大二郎さんの短編「涸れ川」。不思議な読後感。先週、つげ義春さんの本とともに久しぶりに購入した漫画。music: "owari no kisetsu", Rei Harakami この曲をこんな形でアレンジ 10:46 PM Oct 5th webから
■福岡。雲の端がオレンジ色に光ってる。冷んやりした風。遠くジェットエンジンの音。原稿ふたつ一段落。ipodをランダムに流していると、"Don't Think Twice, It's All Right", Bob Dylan 不思議にこの声と歌詞、ハモニカの音が沁みる夕暮れ時。5:50 PM Oct 10th webから