Sahara

tapio2008-10-05

先週、講義のイントロで、少し、こんな話をしました。
この世界には、本当に多様な環境が存在していて、そこに暮らす人たちがいます。
■1988年9月、僕は、北アフリカにいた。ちょうど20年前。
ロッコモーリタニアの国境に近いあたり。サハラ砂漠の北端。
道がないところを行くのも、このときが初めてだった。
ベドウィン遊牧民)の人たちの売り買いする羊たちと一緒に車の屋根に乗せてもらって。
何ディラハムだったろう、100円くらいを渡して、300kmくらい走ったのだと思う。気温は52℃だった。
みんなにこやかだったので、てっきり、乗せてくれるのかと思って、ジープのドアを開けようとしたら、屋根を指さして、「お前が乗るのはこの上だよ」と、笑いながら、言われた。
白と黒の小さい羊が、4匹足を括られて、隣に座ってた。彼らは時々、小さい声で啼いた。
頭には、ターバンみたいな布を巻いていた。熱と乾燥で、唇が縦にひび割れてきて、血が滲んだ。
夜、30人くらいの人が暮らす彼らの集落。石でできた家屋の屋根の上で眠った。また、屋根だよ、と思いながら。
オレンジ色の大きな夕日が沈んだ後、恐ろしいくらいの数の星が見えた。
気温は12℃まで下がった。シュラフに入ったけれど、とても寒かった。
サン=テグジュペリ星の王子さまの話を思い出した。
サボテンの実の甘さ 簡易ベッドのざらざら 繋がれた砂色のラクダの眼 夜、石が冷たくなること シロとクロの羊の匂い 生ぬるくなった水 水の名前 シディ・ハラゼム シディ・アリ 洗ったジーンズが2時間で完全に乾くこと 色が極端に少ない世界
■原稿1つ終了、講義準備。10/2北九州市、公園関連委員会 10/3エコシティ研究会。北九州市森林組合の赤松徹生さんに、林業の現状についての講演をしていただく。日本の林業をとりまくあまりに厳しい現状。10/4朝から会議。終了後、研究室の整頓に取りかかるも、気力なし。
BGM:John Coltrane, "My Favorite Things", Album, Selflessness