エコロジーという言葉

tapio2006-11-18

エコロジーをデザインの視点から捉える展覧会。デザインを考えるための講評型展覧会"FantasyとしてのEco"での講評会に参加。
写真は、プレゼンを行う家具デザイナーの下島啓吾さん。曲線の美しい作品。
エコロジー」とは、本来、生態学という意味だが、解釈が様々に発展してきていることをどう考えていけばよいのか。デザインにおけるエコロジーとはなにか。そのことに思いをめぐらすための催しなのだと思った。
たまたま、人類学者の中沢新一さんが朝日新聞のウェブ上今週のスペシャルで以下のように話しておられた。
(以下、引用)
エコロジーが一つの大きな産業として確立してきましたが、そういう時代に日本人の思想的なバックボーンとなってきたものが重要な意味を持つようになるでしょう。自然とネゴシエーションしながら生きるからこそ成立する暮らし。自己主張をしない自然に耳を傾ける姿勢。これは弱いものや、人間の外にあって自分を主張しないものたちの言い分を聞く思想です。」
(引用終わり)
ここでいうエコロジーとは、何を指しているのだろうか。生態学者の人たちは、このような状況をどう考えているのだろうか。中沢さんのいわれるような「弱いものや、人間の外にあって自分を主張しないものたちの言い分を聞く思想をもった」日本人は、今、どれくらいいるのだろうか。教育基本法に関する与党の強行採決など民主主義国家とは言い難いこの国の現状を見るに、今の日本はこの反対のベクトルに向かっているのではないか、とさえ思ってしまいます。単純になんだか怖いのです。他の国にいけば、自然と相対化してこの国のことを考えることになる。日本の好きなところも嫌いなところも。それは、他者によって強制されるものではなく、自ら考えることによってしか醸成されないものであると思います。
■ポスター、資料の作成にあたっては、研究室メンバーは、それぞれがとてもいい役割を果たした。九工大の3年生が見に来ていたのは興味深かった。
懇親会では、白川直行さん、渡邉恭子さんたちといくつかの話題について。渡辺さんは、よく英国に行かれるということだったので、英国のEDENProjectやCATについてお話。運営をされているのりしろの大野浩介さん、西工大の八木健太郎先生にはお世話になった。
終了後、福岡まで車で送ってもらい高木正三郎さんと建築巧房の所員の皆さんとビールと焼酎で歓談。男ばかりの土曜の夜なのであった。
作品は、11月22日-12月3日まで北九州市小倉Riverwalkの西日本工業大学デザイン学部にて展示。白川直行さんの講演が来週開催される。
デザインを考えるための講評型展覧会"FantasyとしてのEco"
[公開講評会] 11月18日 土 16:00 〜
[講評]白川直行/渡邉恭子/赤川貴雄/高木正三郎/伊東啓太郎
白川直行講演会/11月25日 土 14:00〜16:00
エコロジーを超えてーデザインの視点と可能性ー」
[展覧会]11月22日 水 〜12月3日 日 11:00〜18:00(会期中無休:最終日15:00まで)
主催:のりしろ 「FantasyとしてのEco」実行委員会