「手」の感覚

tapio2006-09-24

この1年半、プロデュース、デザインを進めてきた土漆喰植木鉢手作りキット「エコポ(ecopo)」についての文章を書くために、ネットで調べ物をしていたら、東京(青山Spiralで取り扱っていただいています)でエコポを購入されてオリジナルの植木鉢を作られたkosococoさんのブログに出会いました。
実際に作られた体験と非常にうまく創られた作品写真が掲載されており、とても嬉しかった。そこには、こういう記述がありました。
「水分足りないかなと思いきや、練れば練るほど水分が満たされるのが不思議な感じ。」
実際、漆喰のこのような性質を文章で説明するのは、非常に難しく、どうやったらこの感じが伝わるのだろうと思っている部分だったのです。kosococoさんは、料理を専門にされているとのことなので、やはりものを作るということに非常に優れた「手」の感覚を持たれているのではないか、とかいろんなことを考えました。これらのことについて、kosococoさんにメイルを差し上げたところ、リンクや記事紹介も快諾いただきました。
手を使ってものを作り上げていくことについて考えていると延々と思いが巡ります。Paco de Luciaパコ・デ・ルシア)のギターを弾く手。身近でいうと、原田進さんの左官技術。高木正三郎さんの建築スケッチ。田代孝行さんの髪を美しく切り整える技術。堀川貴永さんの作陶技術。こんな技術を目の当たりにすることができることは本当に楽しい。人間の「手」のもっている優れた感覚について考えると、想いは尽きません。
写真は、展示用に私の作成した、petit ecopoです。姫砥草(ヒメトクサ)Equisetum scirpoidesなど鑑賞用の植物を植えています。これは、技術というより、アイデア勝負です。エコポ1箱から8個のミニ植木鉢ができました。細めの薬瓶などによく練ったエコポをくっつけて少し乾いたところで瓶を抜き取るとなかなかいい形の植木鉢ができます。底に直径5mmくらいの水抜き穴をあけたほうがよいです。
そういえば、雑誌「手の間」第2号発刊されましたね。高木正三郎さんの昔のエピソード、ふふふという感じでした。ブックスキューブリックの大井実さんの記事も面白かったな。
■2006グッドデザイン賞にノミネートされているエコポの最終審査結果は、10/2に発表されます。
http://www.g-mark.org/
■エコポのことで、昨日、TVQテレビ東京系)のディレクターの方が取材に来られました。9/30の番組「九州経済NOW」土曜日09:00-09:55でon airとのことです。九州近辺での放送だと思います。
■明日9/25-10/22まで、調査・講演のため、ノルウェーの大学におります。いつものアドレスでメイルは受け取れますが、レスポンスは通常より遅くなる可能性が高いです。昨日、ノルウェーの共同研究者の人たちからいただいたメイルでは、既に気温10度をきっているので、厚着しておいでとのことでした。いきなり冬です。現在、多くのタスクに追われまくっていて、プレゼンの準備が後回しに。また、飛行機の中での原稿書きになってしまいそうです。とほほ。