連載 ぼくのうなぎつり(1)

いとうけいたろう 長崎大学附属小学校1年1組(1972)
おじちゃんが、「雨が降ったらうなぎつりに連れていくよ。」と約束してくれました。雨が降って、川の水が濁らないと、うなぎが出てこないのです。僕は、雨の降るのが待ち遠しくてたまりませんでした。
まってた、雨が、今日、降りました。僕は、すぐにおじちゃんに電話をしました。「雨がふったから、つれていって」。おじちゃんは、「夜になったら連れていくからまっときなさい」といいました。僕は、時計を見ました。まだお昼です。夜まで、どうしてまとうかな、と思いました。なかなか夜はきません。きょうは、とても昼がながいようでした。
やっとゆうがたになりました。おじちゃんの車の音です。おじちゃんがきました。(つづく)