painful trip 2

酸素マスクから、連続してシューという音がでている。まわりにある道具や機械。もっと見たいなあと思う。やっぱり遠くでゆっくりとした音楽が流れている。身体の感覚が薄れてゆく感じ、なんだかとても気持ちがよくなってきて・・・
3/17夕方17:30、頭の上の窓にぼんやりと青空がある。担当していただいた先生から手術が無事終わったことと状況を教えていただく。一日遅れたら腹膜炎の可能性があったかも知れないとのこと。本当にありがたい。ふと気づくと腰から下の感覚がない。頭と身体がつながってない・・・
3/18朝。背中から細いチューブが出ていて、麻酔のボトルに繋がってる。左腕に点滴の針、尿もチューブが繋がっていて自動的に出ている模様。動けないことは本当につらい。脚にはなにか空気で圧迫解放を繰り返す装置が。痛いけど身体をとりまくすごい技術と看護師さんたちの仕事に驚く。
3/18朝。まわりには重篤な症状の患者さんたち。夜中に看護師長さんが痛み止めと入眠剤を打ってくれたおかげで短いけれど深く眠れた。脚のところに少し感覚がもどってきた。長いお点前の稽古の後のよう。車椅子に乗せてもらおうとしたら膝がかくっとなった。歩けないことの大変さを知る。
3/18午後、点滴と背中の麻酔のチューブとボトルをぶら下げて車椅子で部屋を移動後、職場、国、自治体の方々、研究室メンバーに電話、委員会、打ち合わせの欠席、延期などを快諾いただく。ベッドに寝たまま、痛みで起き上がることができない状況。ありがたいメールやメッセージをいただく
3/19朝、昨日よりずいぶん回復している。なんとか自力で起き上がれた。外科医の先生に説明を受ける。傷口を見ると7cmほど。綺麗に塞がっている。もう痛みを我慢してでも動いたほうがいいそうだ。嬉しい。休みの電気の消えた病院内を点滴の台を押しながら歩いた。床に射し込む陽光。
3/20朝、採血。昨夜は急患の人がいて、大変な様子だった。お世話になっている海の名前の看護師さんも笑いながらもきつそう。点滴のチューブ取れる。脊椎から出ている麻酔のチューブとボトルはまだ取れず。窓の外、雨音が聞こえる。