カルロスカルパ般若湯

tapio2007-08-29

建築家・般若湯友達の高木正三郎さんからのお誘いで、博多百年蔵(石蔵酒造)の改修宴会へ参加させていただく。
高木さんによる木、漆喰、真鍮、アルミをうまく使った改修のデザイン。高木さんは、このプロジェクトのことを本当に楽しそうに語るので、こっちまで嬉しくなる。古いものの中で、新しい素材が生きている。カルロ・スカルパを彷彿とさせる仕事だと思う。
石蔵酒造の石蔵利正副社長にお話を伺った。丁寧で柔らかい発想がこういったプロジェクトを可能にするのだ。明治初期の建物がこのようなカタチで現在に残り、使われていることは素晴らしい。
建築の再生ということが言われるようになって久しいが、建物をただ保存した博物館のようなものではなく、このような「生きた建物」が残っていくといい。歴史の痕跡を残す、街の貴重な遺産なのだ。
無料で見学可能なので、建築、デザインを志す人は訪ねてみるとよい。また、音楽ホールとしてもいい空間だ。以前、梅津和時さんのこまっちゃクレズマや倉地久美夫さんのライヴを見たことがある。
その後、施工をされた安恒組社長の安恒忠男さんにご招待いただき、高木さん、江副直樹さん、建築巧房の塩谷英一さんたちとワインをご馳走になる。このワインを飲める空間も素晴らしかった。頭の中がワインと原稿締切のせめぎ合いで薄いピンク色のフラッシュ点滅。クラッシュ寸前。一瞬、もういいや、と思ったけど気をとり直して早めに失礼する。江副さんから川での釣りの話を聞く度に、川に行きたいと思うようになってきた。
*後で調べたら、仏教でいう「般若」とは、単なる人間の知識や知恵ではなく、真実を見抜く悟りのこと。