The Flyers

tapio2006-10-22

フランクフルト空港に向かう途中、S-バーンに同じ色のヘルメット、同じ色の自転車をかついだ40〜50歳くらいのおっさんが二人乗ってきた。
にこやかな二人は、瓶ビールを飲みながら、「ハロー」といったので、僕も「はろー」と言った。「どこからきたんだい?」と聞くので、「アウス ヤーパン」と答えた。そうしたら、あれれ、という顔をしたので、「ふろむ じゃぱん」と言い直した。「おお、ジャピャ〜ン」。
この発音は、もしかすると、明るいアメリカの人?すると、シカゴからだという。当たり。どうりで流暢な英語なわけだ。しかし最初は、てっきりドイツ人自転車のりの陽気なゲイ二人組だと思っていたのだ。
仕事でよくこのあたりに来て、自転車に乗っているという。「仕事で来て、自転車に乗るというのはいいねえ」、というと、「いいだろう!この辺には、ブドウ畑とワイン、おまけに美味しいビールもあるんだ」
で、暫くいろいろ話した後、お前は何をしているんだというので、「ランドスケープ設計の仕事と子どもの遊び場の研究でノルウェーにいって、その後ドイツで学会に参加して、今から日本に戻るところです」「面白そうな仕事だね」
「おじさんたちは?」「明日、シカゴに戻るんだ」「どんな仕事なの?」「航空会社だよ」「へえ〜」「もしかして飛行機の運転を?」
「そうだよ、パイロットなんだ、ジャンボ機の」「パイロットの人と初めて話したよ」「飛行機を運転するのってどんな感じ?」「う〜ん、巨大なコンピュータを操っている感じかな」
ランドスケープの仕事をやっているんだったら、この辺りには、いいバラ園があるのでいったらいいよ、などといろいろ教えてくれた。
次の駅で降りるというので、じゃあね、"Have a good trip!"といったら、笑いながら”Safe trip!!"といいなさいと。はは、そりゃそうだね、お元気で、といって別れた。
アメリカという国、航空会社、石油、高給現場労働者、英語(米語)という言語の持つ意味、いろいろ考えることになったけれど、不思議に面白い出会いだったな。何故か、「市場があれば国家は不要」という藤原新也さんの言葉を思い出した。あと、Lou ReedのBerlinも。
帰りの飛行機では、そうか、あんなおじさんたちが飛行機の運転をしているのか、とおもうとなんだか安心してよく眠れた。朝07:45Fukuoka AP到着。空港から外に出ると、とてもいい天気で、朝の風が冷たく感じられた。