森羅万象

自然とは、時に本当に脅威であり驚異である。
陰陽師(原作:夢枕獏岡野玲子)の中で、安倍晴明源博雅にむかって、こう話すシーンがある。とても印象に残っている。
以下、引用。
まったくな。森羅万象に比べればおれたちなぞちっぽけなものだぞ、博雅。しかしな、それを認めたからといって行を放棄したり負けてはいかんのだよ。確かに森羅万象におれたちはかなわんがその森羅とて実は俺たちにかなわんのさ。人も森羅も存在するにはそれだけの意味がある。
引用終わり(夢枕獏岡野玲子、1995、陰陽師3 六合, p84)
以前、Zさんも言われていたが、陰陽師の物語の中で、晴明と博雅が縁側で酒を呑むシーンを見るたびに、いいなあ、あんな家であんな風に呑みたいなあと思う。丹波の焼栗や鮎などいつも美味しそうに描かれているのである。夢枕さんと岡野さんのこの作品、とても興味深く読んでいる。