第53回日本生態学会

2006 第53回 日本生態学会大会
http://www.esj.ne.jp/meeting/53/index.php
大会日程2006年3月24日〜3月28日
3月27日(月) 18:00-20:00 Room G
JY22 都市緑地の生態:
1 社寺林研究の新展開―植生の記載から生態系の保全・管理へ―
企画責任者:石井弘明(神大院・自然科学)・真鍋徹(北九州自・歴博)
近年、都市内に残存する緑地の生態学的な研究が急速に進展している。そのなかで、自然状態に近いかたちで 管理されている社寺林は、都市にくらす生物にとって貴重な存在である可能性が指摘されている。社寺林は、宗教的な理由からその地域の潜在的な植生を保全し、今に伝える貴重な存在であることが、植生学において強調されてきた。しかし、全ての社寺林が潜在的自然植生を保持しているとは限らず、植栽型の社寺林も多く存在する。由来の異なる様々なタイプの社寺林が混在するなかで、どのような特徴を備えた社寺林なら、都市における生物の生息空間としての生態的機能を果たせるのか?天然林と類似した種組成の社寺林であっても、都市域で孤立し小面積となった場合、群落を維持しつづけることが可能なのか?社寺林の保全・管理にあたっては、従来のようになるべく人の手を入れないほうが良いのか?当集会では、これまでの社寺林研究を総括するとともに、景観生態学保全生態学文化人類学などの新しい視点・観点からの社寺林研究を紹介し、都市景観・都市生態系において社寺林が内包する生態学的・社会学的な機能や意義について考える。

趣旨説明:真鍋徹(北九州自・歴博)
何故、今、社寺林か??
○坂本圭児(岡大院・環境)
都市域半自然林としての社寺林の生態的特性
○藤田直子・熊谷洋一(東大院・新領域創成)
GIS解析による社叢空間の緑地としてのポテンシャル
○今西亜友美(京大院・農)・村上健太郎(きしわだ自然資料館)・今西純一・森本幸裕(京大院・地球環境)
京都市内孤立緑地における植物相の出現パターンと保全計画への応用
○岩崎絢子・石井弘明(神大院・自然科学)
孤立社寺林における林縁効果と侵入種問題:保全・管理への積極的な取り組み
○橋本大輔(九工大院・工)・伊東啓太郎(九工大・工)・真鍋徹(北九州自・歴博)・飯嶋秀治(九大・人間環境学研究院)
現在の社叢林の姿とは?ー立地と管理者の意識から考える
コメンテータ:伊東啓太郎(九工大・工)
総合討論