夜、帰る途中、線路沿いのいつものざらざらした黒いアスファルトの道を歩きながらなんだか奇妙な気分になった。
このところ晩秋のような気温であることが原因かもしれない。
恐らく国鉄時代から残る錆び付いた鉄の線路を使ったフェンス。引き込み線に、ぼんやりと白く光る曇り空。
ああ、そうか、今、もっと美しい光や色や音が必要なんだ。
ふと、全身の毛が生え替わる金色の獣のことを思い出した。これは村上春樹さんのハードボイルド・ワンダーランドだっけ?
5日前から、蛹になっている。