行基というお坊さん

朝から卒論生の論文チェック。その後、ミーティング2つ。午後から、出光隆九工大名誉教授の特別講義。普段、このような講義には出席することがないのだけれど、今日の出光先生の講義は、楽しみにしていた。お坊さん、行基と土木についてのお話。このお話は、極めて興味深かった。あっという間の90分だった。
昔、「土木事業は、人々に心から感謝される行為」だったのである。
印象深かったのは、行基が橋を架ける事業を行っている図。行基ではなく、工事を行っている人にたいして、民衆の感謝の祈りが向けられている。現代において、このような土木事業がどれくらいあるだろうか?このころのお坊さんとテクノロジーについて、昔、加藤茂生君と話したことを思い出した。そういえば、加藤君は科学哲学の学者だから、このあたりは専門なんだよなあ。
このような講義をしてくれる先生が身近にいてくれて良かった。出光先生には心より感謝いたします。
本講義は、土木構造・材料論文集 第21号招待論文
出光隆・畑岡寛(2005) 「行基と野中兼山」に基づいている。
■キーパーソン
仁徳天皇行基空海、重源、武田信玄豊臣秀吉、伊奈家一族、野中兼山、井沢為永、河村瑞軒、伊能忠敬、デ・レーケ、廣井勇
■キーワード
利自行、利他行、行基集団、五泊の制、果物のなる街路樹
■参考文献
杉本苑子「穢土荘厳」、井上靖天平の甍」、北山茂夫「万葉の時代」