traverse

tapio2008-09-04

03:00 am 星空を眺めてる。昔そうしていたように、テントから顔だけだして。
オリオン座が、東の空、大船山の上にゆっくりと昇ってきた。
今日は、陽が昇ったら、のんびり本を読んで、その後、星生山に登るつもりだった。
07:30 am 朝ご飯のカレーを温めて食っていたら、向こうから手を振る人たち。どうみても日本人ではない。
テントの方に近づいてきたので、「どこから来たの?」と聞くと、「イングランドだよ」という。
懐かしいアクセント。
イングランドのどこ?」「バーミンガム
「へえ、それは、すこい遠くから・・・びっくりしたよ」「僕も、北の街、ニューカッスル・・・ニューカッスル・アポン・タインに住んでいたことがあるよ」「おお、それは、驚きだねえ」
少し話しをして、「じゃあね、バイバイ」といって別れた。
暫くして、星生山に向かっていたら、分岐点に二人がいて、「どっちの道がいいと思う」ってLonely planetの地図を見せながら聞くので、「こっちは、去年崩れてたから、通れないわけではないけど、あまりよくないよ」といったら、硫黄山の側を抜ける同じルートをいくことに。
「この2週間で、日本の7つの山に登るんだ」「どこに登ったの?」「富士山、赤岳、石鎚山・・・」
結局、九州島最高峰の中岳(1791m)、久住山(1786m)、稲星山(1774m)と縦走。スコットランドの山のことや仕事のこと、いろんな話をしながら、登ることになった。
Richardは、石を見ながら「トラバースだね」といった。
途中、ふたりは、食パンにイチゴジャム。石の断面と結晶の形。家にたくさんの石が集まってくること。高い中岳よりも久住山のほうが人気があるのは何故か。漢字の読み方。箸の使い方。日本の山と親切な小学生。カントリーサイドのバス。パブリックフットパス。ソールズベリーのベッドアンドブレックファスト。Lands End。屋久島の宮浦岳と縄文杉。フランスと英国のキノコの話やバーミンガムのチョコレート工場と街のこと。手作りのメモ帳と鉛筆。向こうでの仕事。庭の植物。
雪の種類について、Richardいわく、
ノルウェーには、10種類以上の雪を表す単語があるのに、英国には、"snow"しかないんだ。」
「日本には、結構たくさんあるよ。」
Deniseは、にこやかに笑いながら、
「旅をするなら山がいいわ、街には、あまり興味がないの」、といった。
彼女は、メールアドレスを僕の小さなメモ帳にきれいな字で書いた後、「今度、バーミンガムへおいでよ」といった。僕は、「バーミンガムは、大きい街だよね、うん、でも、きっと行くよ」といった。
13:30 二人は牧ノ戸峠へ。大きく手を振った。彼らは、この国へ山に登るために来たんだと思うと、なんだかとても嬉しくなった。
それから、目的の星生山(1762m)に登った。とても好きな山。雲に覆われていた山頂は、晴れ間が広がって、久住山頂と遠くに阿蘇が見えた。
その夜は、三日月が、とても綺麗だった。月は西の空に沈んで、すぐに気が遠くなるような星空が拡がった。14か15個の流れ星を見た。
そのうちの1つは、青と緑のまじったような不思議な美しいブルーのテールを描いた。